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データで見るハートキャッチプリキュアの百合事情

プリキュアシリーズの魅力の一つは、熱い友情の延長線上にある百合描写であるといっても過言ではないでしょう。ハートキャッチプリキュアを例にとって、ファンの間でどのような百合妄想がなされていったのか、データを通じて見てみましょう。pixivから取得したデータを用い、解析を行いました。詳細は、前回の記事をご覧ください。


百合イラストの抽出
イラストだけを見て、それが百合であるかどうか、コンピューターに判断させる方法はありません。そこで、イラストが百合であるかどうかを判断する基準として、ここでもイラストに付与されたタグを頼ることにしましょう。百合性を判断するタグは、大まかに分けて2種類あります。
  • カップリングタグ
  • 「百合」タグ
カップリングタグは、例えば、花咲つぼみと来海えりかがいちゃいちゃしているイラストに付与される「つぼえり」タグのことを指します。経験上、カップリングタグは、二人がいちゃいちゃしているイラストに付与されることがほとんどです。そのため、カップリングタグをイラストの百合性の指標として使うことができます。
百合タグは、そのまんまです。イラストの著者または閲覧者の、少なくとも誰か一人がー実際には殆どがーイラストに百合を感じたという証拠ですので、これもまたイラストの百合性の強い指標となるでしょう。

カップリングタグの列挙
まず最初に、カップリングタグの調査から始めます。メイン4人と百合要員3人(つぼみ、えりか、いつき、ゆり、ももか、ダーク、なおみ)と、その組み合わせを表にしたのが下記の図です。○印をつけた10通りの組み合わせについて、カップリングタグを見つけることができました。




つぼみえりかいつきゆりももかダークなおみ
つぼみ*×××
えりか**××
いつき***××
ゆり****×
ももか*****××
ダーク******×
なおみ*******




さらに、これらのカップリングと、検索に用いたタグの一覧を下記の表にまとめました。なお、×記号は単なる組み合わせの意味であり、BLのように非可換でもありません。変身前後でのニュアンスの違いはあえて無視します。また、これ以外にも百合カップルは存在します。たとえば、4話のテニス部カップルや、実在の人物で百合萌えするのは邪道かと思い悩む36話の歌手コンビ、37話でのミラージュさん達など。ですが、カップリングタグの抽出がうまくいかなかったため、これらのカップルは除外します。


カップリングタグ名
花咲つぼみ×来海えりかつぼえり、えりつぼ
花咲つぼみ×明堂院いつきつぼいつ、いつつぼ
花咲つぼみ×月影ゆりつぼゆり、ゆりつぼ
来海えりか×明堂院いつきえりいつ、いつえり
来海えりか×月影ゆりえりゆり、ゆりえり
来海えりか×来海ももかももえり
明堂院いつき×月影ゆりいつゆり、ゆりいつ
明堂院いつき×沢井なおみなおいつ、いつなお
月影ゆり×来海ももかももゆり、ゆりもも、月もも、もも月
月影ゆり×ダークプリキュア闇月、ダークはムーンライトの嫁


カップリングタグ
まずは、前回の記事と同様に、これらカップリングタグの出現数を時系列で追っていきましょう。最初に、最もメジャーな「つぼみ×えりか」「ももか×ゆり」「ダーク×ムーン」です。

htpr2_coupling1.png


まず目に入るのは、つぼえりの怒涛のスタートダッシュです。OPで本編でEDで次回予告で、そのいちゃいちゃぶりをこれでもかと見せつけてくれたカップルでしたので、非常に納得のいくデータです。しかしながら、投稿数は次第に減少します。23話のサンシャイン加入後、二人きりのシーンが少なくなってからは、最盛期の10分の1程度にまで落ち込みました。

ももゆりは、8話のベンチでのシーンや、31話の相合傘、36話の学園祭での絡みが印象的でした。物語終盤、劇中での2人の接点は全く描かれなくなります。ところが不思議なことに、投稿数は減少することなく、それどころかわずかに上昇しているようです。過去、心に影を抱えていた2人がどのような触れ合いをしていたのか、絵師たちの創作意欲をかき立てていたのではないでしょうか。

ダークとムーンライトは、13話でピークを迎えます。やはり、「私はお前のものだ!(わざとらしいうろ覚え)」が効いたのでしょう。実は、1話の死闘も妄想の種になっていたようで、10話でのダーク再登場前にも、多くのイラストが投稿されていました。このカップルのももゆりとの違いは、終盤に投稿数が減少していることです。原因は不明ですが、終盤の熾烈を極める戦いにおいて、もはや和解エンドが望めなくなっていったことも関係しているのでしょうか。


続いては、他のカップリングをグラフにしたものです。
htpr2_coupling2.png


7話のつぼいつ、26話のいつなお、48話のつぼゆりにピークが見られます。ファンならば、ああ、あのシーンかとすぐ分かると思いますので、説明は割愛します。

個人的に意外だったのは、ももえりイラストの少なさです。私は放映中、来海姉妹の関係性の変化を非常に楽しみにしていまして、37話や劇場版でのえりかの台詞は感涙ものだったのですが……。ですので、希少なももえりイラストを描いてくださる絵師様には、感謝してもしきれません。


話がそれました。この項の最後に、各カップリングタグについて、期間中の総和をとり、分布を調べてみました。

htpr2_couplingtag1.png


先ほどの時系列のグラフからも容易に想像できるように、トップ3である、「つぼみ×えりか」「ももか×ゆり」「ダーク×ムーン」の3カップリングだけで、全カップリングタグの87%を占めています。


百合タグ

百合タグを含むイラストの調査を行います。まずは前項と同様に、時系列データを作成します。百合タグが付与されたイラスト数と、比較としていずれかのカップリングタグが付与されたイラスト数の時系列での変化をグラフにしました。

htpr2_yuritag.png


終盤こそ、両者のデータはほぼ一致するものの、特に序盤では、カップリングタグを付与されたイラスト数が、百合タグを付与されたイラスト数を大きく上回っており、データに乖離が見られます。すなわち、序盤では、恋愛感情というよりは友情の範疇で仲良くしているイラストが多かったけれども、終盤ではガチなイラストが増加していったことが示唆されます。

このことを、もう少し詳しく調べましょう。そのために、各カップリングタグを付与されたイラストのうち、同時に百合タグも付与されたイラストの割合を調べました。

htpr2_yuritagganyuu.png


カップリングタグの上で最多派閥だったつぼえりの百合タグ含有率は27%であり、比較的低めに抑えられています。序盤で、カップリングタグと百合タグの数が乖離していたのは、このためです。つぼえりカップルは、ガチな百合カップルとしてではなく、非常に仲の良い友達として描かれることが多いようです。

これとは対照的に、ももゆり、闇月の百合タグ含有率は50%を越えています。つぼえりに比べると作中での絡みが少なかったためか、あるいは妄想を誘発しやすい設定のせいか、百合妄想のレベルがより高くなっているようです。

これを踏まえて、百合タグを付与されたイラスト中での、カップリングタグの分布を調べました。

htpr2_couplingtag2.png


基本的な分布は先ほどと変わりませんが、ももゆり、闇月の占める割合が相対的に増加しています。そして、トップ3のカップリングが、全体の92%を占めています。少なくともpixivのコミュニティにおいては、ハトプリの百合に関して、つぼえり、ももゆり、闇月の3カップリングが、非常に大きな人気を占めているようです。

最後に、今回取り上げたキャラの百合関係を、グラフの形式で表現しました。エッジが太いほど、そのカップリングに人気があることを示してあります。(各エッジの太さを、カップリングタグと百合タグが付与されたイラストの数の対数にしてあります。)目で見て分かる、ゆりさんのモテモテ度合いです。

htpr2_graph.png
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Google Insights for Searchが面白すぎる

Google Insights for Search

面白すぎる。Googleトレンドと同様に、googleで検索されたワードの人気度を時系列で見せてくれる。だけでなく、地域別人気度は取得できるわ、何より、アカウントにログインすれば数値データを取ってこれるわで、ネタ心をくすぐりすぎる。百聞は一見に如かず。

アニメ作品の人気を比べてみます。
ハルヒvsらきすたvsけいおん。チョイスに他意はなし。
まあ当たり前ですけどアニメ放映直後の立ち上がりがすごいですね。その後どれだけ人気を維持できるか、ですが。ハルヒ2期は1期ほどの集客力はなかったようですね(google的に)。エンドレスなんとかのせいでしょうか。ハルヒはアニメ終了後も人気が乱高下しているのに対して、らきすたはアニメ終了後徐々に落ち込みつつも一定の人気を維持していますね。このあたり、何か違いがあるようです。けいおんはどうなることやら。まあ2話で切ったことに後悔はしていないorz



若干真面目な話にスイッチ。
グラフェンvsカーボンナノチューブvsフラーレン。へんてこ炭素3兄弟。順に、2次元シート、1次元チューブ、0次元サッカーボール。ちょっと前までちやほやされてたナノチューブとフラーレンがじわじわと落ち込んでる。そしてグラフェンの台頭すげえ。やっぱりみんな2次元が好きってことですね!



同じデータで気になるのが以下のリンクから飛べる地域別人気度。
Google Insights for Search - ウェブ検索の人気度: graphene, carbon nanotube, fullerene - すべての国, 2004 年 - 現在
なんと英語が母国語じゃないはずの韓国がダントツトップ。日本は屁。日本もこのへんの研究してるはずなんだけどなー(CNT見つけたのは日本の研究者だし)、どうしたことやら。そのあたりはgoogleがどうやってデータを料理しているかわからない状態でぐだぐだ言っても仕方がないので、次にいこう。


真面目な話をするととてもとても疲れるので。
幼女。(日本のみ)
2004年と2005年の12月に鋭いピークがあるのですが、何かありましたっけ。クリスマスプレゼントに可愛い幼女をください!みたいなものとも思えんし。面白いのは、人気度がほぼ定数になっていることですね。幼女の魅力はいつになっても色あせること無し、といったところでしょう。これを、以下に続く検索ワードと比較してみると面白いです。


県別データだってとれちゃう。
Google Insights for Search - ウェブ検索の人気度: 幼女 - 日本, 2004 年 - 現在
秋田、佐賀、栃木あたりの人たちが幼女を検索しているようです。

ツンデレ。2005年9月を境にトレンドが一変しているのが美しいほどであります。2006年4月の特異なピークは、なんだろう。ゼロ魔は7月からだったので、ハルヒですかねえ。


それでは最後に。
めがねっこ。
ヴぁあああああああ明らかな下降トレンドでございます。これはいったいどうしたことだ。眼鏡っ子の人気凋落がgoogle的にも証明されてしまったのか。ツンデレのトレンドが下降気味なのはまあ、新しい言葉ですし単にサチっていく段階と思えます。が、眼鏡っ子は古来より伝わる由緒正しき萌え属性のはず。しかもこの傾向は昨日今日に始まったわけではなく、既に2005年半ばから始まっているようです。最悪、眼鏡っ子属性そのものが自然消滅、とまではいかないまでも、商業作品への登場率がきわめて減少する、なんてことになってしまいそうです。(今でもそうじゃねーかというツッコミはおいといて。)危機感を新たにする必要がありそうです。



で、まあ、どうでもいいネタを連ねていきましたが、googleトレンドとの最大の違いは、数値データを取得できることでしょう。googleの中でどう料理されたかわからない得体の知れないデータではありますが、少なくともお遊びに使うことはできるかな。

#……って今回のネタ、googleトレンドだけでも事足りたような……。まあ気にしない。

水たまりパンチラの幾何光学

あけましておめでとうございます(遅)
当変態ブログ2010年最初の記事は、科学技術ブログとしての原点に立ち戻り、光学の話題から始めることにしましょう。

中学生マインドをお持ちの皆様の中には、水たまりパンチラに萌える方もいらっしゃることと思います。これはすなわち、水たまりのそばに佇むスカートを穿いた女の子、水面に目をやると、そこには水面に反射したスカートの中身がくっきりと、というようなバカシチュです。空を飛ぶパンツで有名なバカアニメ「そらのおとしもの」でも、該当するシーンがあったと記憶しています(正確にははいてない状態でしたが。。)。今回の記事では、水たまりパンチラの発生条件を、幾何光学を使って考察していきます。

#ずっと昔にあった、階段でぱんちらを拝むための幾何学を丸パクリしたやつです。フレネル方程式に言及してちょっとだけ中学数学以上のことをやるので、ご勘弁願います。



水たまりパンチラの幾何光学

まず最初に、水たまりパンチラが発生する条件について考察していきましょう。
水たまりにぱんつが映るというのは、すなわち、ぱんつから出た光が水面に反射し、観測者の目で捕らえられるということを意味しています。これを説明したのが次の図です。絵心がないのは仕様です。

まず、女の子と観測者が十分近づいている場合の光の経路を、青い線で示します。光はスカートをかわして水たまりで反射され、観測されます。つまり、女の子に十分接近すれば、水たまりぱんちらを拝むことができます。女の子と観測者の距離が遠い場合はどうでしょうか。この場合の光の経路を、赤い線で示してあります。ご覧のように、ぱんつから出た光はスカートに阻まれ、観測者に届くことはありません。女の子からの距離が遠いと、ぱんちらは拝めません。

それでは、パンチラが見える・見えないの境界線はどこにあるでしょうか。それは、ぱんつから出た光が、ギリギリスカートをかすめて観測者に届く場合です。この状態を、便宜的に「臨界パンチラ状態」と呼ぶことにしましょう。臨界パンチラ状態での光の経路を、緑の線で示しました。臨界パンチラ状態についての考察を行いましょう。

pantiraoptics1.png

幾何学的な配置を、次の図で示します。以下の4パラメータを与えられたものとします。地面からぱんつの下端までの距離を、ぱんつ高pと呼びます。同様に、地面からスカートの下端までの距離を、スカート高sと呼びます。また、ぱんつの中心から地面に降ろした垂線と、スカート下端までの距離を、スカート幅wと呼びます。そして、観測者の目の高さを、視点高eと呼ぶことにしましょう。

続いて、求めるべき量にうつります。まずは、女の子と観測者の間の距離Dです。特に今回、臨界パンチラ状態での女の子・観測者間の距離のことを、「臨界パンチラ視認距離」と名付け、D0と呼びましょう。また、このときの光の入射角・反射角を「臨界パンチラ角」と名付け、θ0と呼ぶことにしましょう。

問題設定が整いました。下図のような条件で、p,s,w,eを用いて、D00を書き下します。
pantiraoptics2.png

とは言ったものの、これを解くのは極めて簡単で、中学で習う幾何学の知識があれば一発です。
D0=w(p+e)/(p-s)
tanθ0=w/(p-s)
となります。
適当にそれっぽい数値として、p=70(cm),w=15(cm),s=40(cm),e=160(cm)を代入すると、D0は115cm、θ0は27度程度となります。つまり、女の子と1メートル以上接近すれば、水たまりパンチラを拝める、とそういうわけです。遠くからぱんつを眺めるのは無理そうですが、どうにか接近する手段を手に入れれば、水たまりぱんちらを拝みほうだいです。やりました!次の雨上がりの日は、全国の水たまりという水たまりに変態さんが群がりますね!

……果たして、本当でしょうか。光線の軌道に関する考察は、これでOKです。しかし、ぬか喜びする前に、光が水面で反射するという事実を、もう少しまじめに考える必要があるのです。


無情なる光の物理学-フレネル方程式-

水面に入射した光は、一部が反射すると同時に、一部は水中に透過します。今回の問題設定では、透過した光は地面に吸収されて消えてしまうでしょう。ですので、入射した光のうち、どの程度の量が反射されて、観測者の目に届くのかを知る必要があります。光の反射量が少なければ、いかにステキな位置にスタンバイしていても、パンチラ映像が暗くてよくわからない、ということになってしまうのです。

実は、反射率は入射角に応じて変化することが知られています。反射率を、入射角の関数として記述したものが、フレネル方程式と呼ばれている数式です。リンク先を見るとわかりますが、反射率は、入射角と媒質の屈折率によって決定されます。しかし、フレネル方程式の形はちょっとややこしいので、数式は出さずに、グラフを描いてしまうことにしましょう。パラメータとして、空気の屈折率を1、水の屈折率を1.33としました。

#ぱんつに反射した光は自然光である(偏光していない)と考えられます。日本語版Wikipediaでは、自然光の反射率に関する記述が乏しいので、Wikipedia英語版のフレネル方程式に関するページを参考にしました。

fresnel.png

これを見ると、入射角が90度近い、つまり水面スレスレに入射する光の反射率は高くなっています。一方、入射角が0度、つまり水面に垂直に入ってくる光の反射率は非常に低いことがわかります。0度での反射率は0.02程度です。水面に対して垂直に入射する光はほとんど反射せずに、水中に透過してしまうのです。

それでは、先ほど求めた、臨界パンチラ角での反射率はどうでしょうか。27度に対する反射率は0.021程度、垂直入射の場合とほとんど変わりません。つまり、せっかくパンチラを拝めるポジションをキープしても、水面に映るぱんつは暗くて見えない、ということになりかねないのです。スカートを避けるために女の子に近づけば近づくほど、ぱんつの映像は暗く見えなくなってしまうのです。人間のぱんつに向けた飽くなき探求心も、冷徹無情な物理法則の前では白旗を降らざるを得ないのです。

#まあ、もしかすると、人間の眼がハイスペックにものを言わせてなんとかぱんつを認識してしまうかもしれませんが。

それでは、まとめましょう。
水たまりパンチラを拝むためには、スカートの鉄壁防御をかい潜るために、ある程度女の子に近づく必要があります。女の子との距離は、典型的な値では1メートル程度です。
ところが、女の子に近づくと、ぱんつから出た光は、水面に対して垂直に近い角度で入射します。このとき、光はほとんど反射しません。そのため、せっかくのパンチラが暗くて見えない可能性が高いです。

もしかすると、パンツとスカートの幾何学と、マクスウェル方程式に支配される鉄壁の反射法則の間に、どうにかぱんちらを拝める領域が存在するのかもしれません。しかし、その探求は後進の賢者に譲ることとしましょう。

……などと長々と書いてきましたが、そういえば私はぱんつには全然興味なくてむしろ中身が重要であるということを今思いだしました。まあ、パンチラとかどうでもいいですよね。

パレートの法則は金持ち専用の法則です。貧乏人には適用されません。

パレートの法則、という言葉があります。俗に80:20の法則などとも呼ばれ、構成要素のごく一部が、全体に対して大きい影響を持つことを言い表すのに使われるようです。さらにぐぐってみると、元々は、所得の分布がべき分布になるという主張だった、というような記述も見つかります。

こんなことが書いてあるものだから、所得の分布が全領域でべき分布になると、思い込んだりしていませんか?複雑系スキスキーな人、ひっかかっていませんか?恥ずかしながら、私は今の今まで、所得の分布イコールべき分布だと無批判に思い込んでおりました。しかし実際には、事態はそう単純ではないようです。

確かに、所得の分布に関してパレートの法則(以降、べき分布を指すのにこの単語を用います)は成り立ちます。しかしそれは、高所得者層に限っての話なのです。低所得者層には、パレートの法則に代わる別の自然法則が適用されるのです。金持ちと貧乏人の間には、量的なだけでなく、質的な違いがあるのです。

……というような話を、以下の元ネタ論文をつまみにぐだぐだ述べていこうかと思います。
#与太話はどうでもいい、という方は、是非論文をご覧ください。保存則と時間反転対称性と統計力学を武器に、所得のボルツマン分布を解き明かしていく(?)ステキ論文です。

さて、所得の分布が実際にはどうなっているのか調べたいとき、どうすればいいでしょう。と、問うまでもない問題で、実際にデータを取得してみればいいのです。今回は都合よくデータがあったようで、論文の著者らは、米国国税庁(IRS)が公表しているデータに着目しました。実際に所得の調査を行うのではなく、ある所得階級に属する納税申告書の数を使うことで、所得の分布に代用しようというのです。どうしてこんな搦め手から攻めるような作戦を取ったのかよくわかりませんが。

#追記。そりゃサンプル数をきわめて多く取れるからに決まってますな。。。

分布のグラフを論文から引用してもよいのですが、論文のデータが最新で2001年と若干古いということもあり、せっかくですので公開されているデータを使って、自前でグラフを描いてみます。データは、このページの、Table1.4に記載されているものを用います。最新データは2007年ですので、これを使います。所得の累積度数分布を作成し、グラフにしたのが以下の図です。

IRS2007.png

横軸に所得、縦軸に累積分布(%)をとってあります。いつものように、両対数プロットです。もし所得の分布がパレートの法則に従うのなら、このグラフ上で直線になるはずです。確かに、高所得側ではそのようになっています(青い線)。しかし、所得10万ドル付近を境に、低所得側はべき分布になっていません。

低所得側を説明するのが、緑の線で示した関数です。これは、Boltzmann-Gibbs(ボルツマン-ギブス)分布というご大層な名前がつけられていますが、実態はたんなる指数関数です。内挿図は、縦軸のみを対数プロットにしたものです。このようなプロットでは、指数関数は直線となって表示されます。確かに低所得側では、所得の分布は指数関数に乗っているようです。

#たんなる指数関数に、統計力学の巨人二人の名前がついている理由は、この指数関数が統計力学的なアプローチで予見されたためです。というか、統計力学で出てくるボルツマン分布そのものと言っていいはず。詳細は論文読んでくらさい。

以上、眠い眼をこすりながらさくっと作ったグラフでした。ちゃんとしたのは論文見てください。

話をここで終わらせてしまうと、単なる論文の丸パクリ記事となってしまいます。しかもアメリカの話だけ。ということで、日本の所得分布についても見てみることにしましょう。統計データは、統計局が公表しているものにありそうなのですが、探す気力が無かったのでパス。元ネタ論文のように、国税庁のサイトを調べてみたらすんなり見つかりました。平成19年の全データ、65ページの表、「区分」と「申告納税者数」のデータを使います。グラフは次のようになります。

kokuzei2007.png

グラフはアメリカのものとほとんど同じとなりました。高所得側ではパレートの法則が成り立っています。所得1000万円程度を境に、低所得側では指数関数となります。(とはいえ、内挿図に示したように、指数関数からのばらつきが、アメリカの場合より若干多いようにも見えます。これが何を示しているのかはわかりません)

結論。
所得に関するパレートの法則は、所得1000万円以上のお金持ちに対してのみ適用されます。貧乏人の所得は、指数関数に従い、どうも両者には質的な違いすらあるように見えます。
まあ、経済の人には常識なのかもしれませんが、私は知りませんでした。

もうちょっと教訓めいたものを引き出すなら、以下の二点でしょうか。
ひとつめは、○○の法則と名のつくものがあれば、必ずその適用範囲をチェックしなければいけない、ということ。これは、数学や自然科学を勉強すれば、必ず身につけているべきプロセスです。この記事の最初に「恥ずかしながら」と書いたのはそういうことです。初等的な解説では、混乱を避けるためにあえて法則の適用範囲に関する議論を省くことがあります。しかし、○○の法則を使うためには、そこで満足していてはいけない、ということなのでしょう。
もうひとつは、○○の法則を、実際の測定値を見て確認しないといけない、ということ。これも、初等的な解説ではなかなか難しいわけですが、○○の法則が現実世界にリンクするものである以上、やらなきゃいけないプロセスではあります。

最近、男性に対する評価に関して極めて普遍的に成立する適用条件が発見されたことですし、法則うんぬん関係なく、適用範囲のチェックはしなければいけません、ということでしょうね。いやはや生き辛い世界だ('A`)

はてブで遊ぶ(3) -ホットエントリの総獲得ブックマーク数を予想できるか?-

またしてもはてブであれやこれやです。

前々回のエントリで、ホットエントリー入りした記事の分類を行いました。すると、ほとんどのエントリが、ホットエントリ入りしたときに爆発的にブックマークを稼ぎ、その後はじわじわとブックマークを増やしていく、ということがわかりました。

さて、ホットエントリ入りした瞬間の爆発的なブックマークの伸び(以下「初期速度」と呼ぶ)と、その後のじわじわとしたブックマークの増加(以下「長期成長速度」と呼ぶ)の間には、何か関係があるのでしょうか。単純に考えれば、初期速度が大きいエントリは、長期成長速度も大きいように思えます。そして、もしこの両者の間に関係があるとすれば、ホットエントリ入りした瞬間に、その記事がどのくらいブックマークを稼げるか、わかってしまいます。本当でしょうか。調べてみましょう。

次の図は、典型的なブックマークの時系列と、その関数によるフィッティングです。図中に示してあるように、時系列を、指数関数と一次関数の和で表します。指数関数が、開始直後のブックマークの伸びを示し、一次関数がその後のじわじわとした成長を表します。この関数を微分すると(しなくても)、初期速度と長期成長速度がわかります。これも、図中に示してあります。このようにして、時系列のフィッティングを行い、フィッティングパラメータから、初期速度と長期成長速度を計算します。

hatebuts.png

次の図が、横軸に初期速度、縦軸に長期成長速度をプロットした図です。なお、データは、2008年9月にホットエントリ入りしたデータを用いました。

えー、見事に何も関係がないように見えます。図中に両対数プロットも添えてみましたが、やっぱりバラバラ極まりない感じです。ちょっとだけ面白いのは、初期速度と長期速度は、だいたい3ケタくらい違うということです。ホットエントリの集客力を、ブックマークの速度の面から見ることができました。

bookmark_speed.png

このままだとあんまり面白くないので、今度は、初期速度と総ブックマーク数の関係を示します。ここでの総ブックマーク数とは、2008年の9月から2009年の10月まで、ほぼ1年の間に稼いだブックマークの数ということになります。

横軸に初期速度、縦軸に総ブックマーク数をプロットしてあります。やっぱりというかなんというか、初期速度が大きければ総ブックマーク数も大きいです。しかし、点は非常にばらついていて、初期速度から総ブックマーク数を精度よく予言するのは無理そうです。

bookmarks_vs_initialspeed.png

というわけで、目の付け所が悪かったのか、あまり面白くない結果となりました。もう少し範囲を限定する、たとえば、記事をジャンルごとに分けるなどすれば、何か意味のある結果が出るかもしれません。が、面倒なのでやりません。


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二次元眼鏡少女に蔑まれたいです。

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